忠度(tadanori)


能楽「忠度ただのり」から、桜と平忠度の霊を描きました。


少し拡大版↓


平忠度たいらのただのりは、平安時代の平一門の武将で、清盛の異母弟にあたります。

歌人としても優れ、藤原俊成ふじわらのとしなりに師事していました。

( 平安後期の歌人で、俊成しゅんぜいとも読む。『千載和歌集せんざいわかしゅう』の撰者として知られています。)

一ノ谷の戦いで源氏方の岡部忠澄に討たれており、

その時、えびら(矢筒のこと)に結びつけられた文を解いてみると、「旅宿の花」という題で

「行き暮れて 木の下陰を宿とせば 花やこよひの主ならまし」

と、一首の歌が詠まれていたそうです。



◆ あらすじ ◆

藤原俊成の旧臣である僧の一行が須磨の地(現在の兵庫県)を訪れます。

由緒ありげな桜の木のもとへ至ると、一人の老人が現れます。

僧は一夜の宿を借りたいと願い出ますが、老人は「この桜の蔭(かげ)ほどの宿があろうか」と言い、俊成の弟子であった平忠度の和歌を教えると、夢中での再会を約束して消え失せてしまいます。

その夜、僧たちの夢の中に平忠度の霊が現れました。

忠度は、師・俊成が撰者をつとめた『千載集』に自らの歌が選ばれたものの、

朝敵の身を憚って「詠み人知らず」とされてしまったことが未練だと明かします。

平家都落ちの只中に都まで引き返して俊成に自らの歌を託したこと、

討死に際しても歌の短冊を箙に挿していたことなどを明かし、歌道への執心のほどを述べ、

花の蔭に消えてゆくのでありました。

書いてある詞章です↓


いかさまこれは公達の
   御中にこそあるらめと

御名ゆかしき所(旧字)に
   箙を見ればふしぎやな

短冊を付けられたり

見れば旅宿の題をすゑ
      行き暮れて


丁度先月お稽古で習ったところで、季節も春でしたので描いてみました。

「読み人知らず」はよく見かけ不思議に思っていましたが、朝敵であったなどの何かしらの理由があってそう表記されている事を始めて知りました。

もの悲しさが漂う雰囲気の能かと思いますが、割と明るい絵になってしまいました(;´・ω・)

施設に飾らせて頂くのであまり暗いのも良くないかなと思いましたが、桜を墨だけで描いたほうが良かったかもしれません(笑)

新しく買ったかな条幅紙で描きましたが、思いのほか滲みが強くぼてぼてした感じがあります。

新しい物なのでまだ湿気があるんですかね。。

また、今月は顔彩を購入してみたのでそちらで着彩してみました。

「やまとのいろどり」と商品名にありましたが、本当に日本の色が集まっていて使いやすいです(*´▽`*)

透明水彩で日本の色を作るのはなかなか難しかったので助かります。

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