巴(tomoe)

能楽「巴」から、巴御前を描きました。

巴のあらすじは、

木曽きそ出身の僧たちが粟津ヶ原あわづがはらを訪れると、松蔭に祀られた神の前で涙を流す一人の女がいた。

僧が声をかけると、女はここに祀られているのは木曽義仲きそよしなかであると教え、自分がある幽霊だということを伝え消え失せる。

僧が弔っていると、先刻の女が鎧兜を身にまとった姿で現れた。

女は、義仲に仕えた女武者・巴御前ともえごぜんの幽霊であった。

巴は運尽きた義仲が自害するに至った経緯を語り、義仲に最期の供を許されなかった自らの執心を述べ、義仲への最後の奉公として戦った粟津ヶ原での合戦の様子を再現して見せるのだった。

というお話です。

これまで描いた女性の面は微笑んでいるものが多かったですが、

この巴は「増女」の面で、話のせいかどことなく悲しみが伝わってくる表情でした。

微笑んでいるように見える口元も難しいですが、少し引き結んでいるような口元も表現が難しかったです。

着物は七宝柄が多いそうで、鎧などの装備を表しているそうです。

最初現れる女と、今回描いた粟津の合戦で長刀を奮っている姿、最後の烏帽子や武具を外した姿

と、全て見た目の印象が違うので引き込まれます。

他の場面もまた機会があったら描きたいと思います。

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